谷川岳に行く

谷川岳に行く。谷川岳に行くのは初めてだ。自分よりもさらに初心者の友人と行くので、ロープウェイで移動する。ゆるふわハイキングを楽しむのだ。

谷川岳という言葉に、妖かしの光を感じるようになったのは、山に登り始めてどれくらい経った頃だろうか。谷川岳には、土合、死者数世界一、ザイル銃撃事件、一ノ倉沢など、様々なエポックが折り重なっている。その文脈の連なりが、いつしか妖しい光に変質されている気がする。

土曜日の朝、起床。昨日夜遅くまで働いていた友人に電話するも体調を壊してしまったようだ。仕方ない。

水上に着くと雨が降りだした。中止も検討するも、午後には雨が上がる予報、ロープウェイということを考慮し決行することとした。早いペースで登る。レインウェアが意味をなさずに、ウールのベースレイヤーが完全に濡れてしまう。山小屋で予備のシャツに着替える。山頂に着く頃、晴れ間が見えた。谷川岳の山肌はなにやら独特でとても好みだ。友人が5レンジャーのマスクを用意してきたので、バラクラバのように被り写真を撮った。シュールで良い写真だ。土合駅の見学をして、温泉に入り、ホテルでゆっくりとした。ヒレ肉の豚カツを食べて、酒を飲んで寝た。日曜日は朝イチからホテルのバイキングを楽しみ、10年ぶりのラフティングに興じる。温泉に浸かり、育風堂精肉店にて骨付きの豚肉を食らい、完璧に旅を閉じた。ラフティングでけつを思いきり打ち付けてしまい、まだ痛みが引かない。

帰路の途中、池袋に立ち寄りなつやすみバンドの新譜を買った。なかなか買えずじまいだった。どんなアルバムなのか、静かに楽しみだ。

ときに最近、あまり好ましいモチベーションで仕事ができていない。その原因は、いったいなんなのだろう。今夜は雨が降っている。RCサクセションは聞こえない。