ベースボールをしていない

会社で、新卒から今日届いた資料への押印を依頼された。今日届いたことをおうむ返ししたら「はい、産地直送で新鮮です」とボールを投げ込まれる。あいにくおれにはそのナックルボールを打ち返す反射神経も動体視力もない。おれはいま、ベースボールをしていない。ところでなぜベンチの奴等はピッチャーがびびっていると言いたがるのだろうか。ピッチャーはこんなに大胆だ。

休学して水俣や沖縄や長崎を回ったときに、「人間のあらゆる営みは出発点がもっとも大切で、誤ったスタートは論理的思考によって人間を怪物にしてしまう」と学んだんだけど、いまの安倍政権は完全にそれだと思ってる。始まりの思想が終わっている。まさに国難で、水俣や沖縄がいまだに解決しきれていない歴史的人災であることを踏まえれば、この政権の悪影響は100年レベルなのだろう。評価している政策がかすんでしまうほどだ。おれが出来ることをやるだけだ。

忌野清志郎の2枚組ベストアルバムが出るようだ。新しいファンが出来る可能性が嬉しい。ぜひ完全復活祭やRHAPSODY NAKEDへと手を伸ばしてほしい。そんなわけで清志郎を聞き返している。指輪をはめたいにはロックンロールとソウルミュージックのすべてが詰まっているなと改めて確認した。別に理解してもらえなくていい。これがおれの真実だ。
 
ライブ中に「鳴り止まないでくれ」と思えることが、ほんとうにまれにある。あの気持ちはきっと音楽を聞いている人でなければわからない幸せだ。切実で、とてもはかない幸せだ。そんな気持ちが、指輪をはめたいには詰まっているのだ。

秋、それは味噌と納豆、漬け物だけでごはんを食べる季節。あの秋が来た。寒い冬がそこまで来てる。