後篇 2012年8月31日(金)オガワマユ ザ・なつやすみバンド@mona records

オガワマユの出番が終わり、しばし休憩。
その後、ザ・なつやすみバンドは準備を開始。
サウンドチェックを入念に行い、9時ごろから始まりました。

それは突然に響いた。

 悲しい日々をいくつも越えて来れたんだね!
 ご褒美はいっつも そこらじゅうに溢れてる
 もっと知りたいと思うんだよ
 ちょっとあきらめることもあるけど!

お誕生日会。

ぼくはふと思った。
そうか、これは「TNB!」の終わりから始まる、夏休みの終わり。
「なつやすみ(終)」を奏でることなく、夏休みの終わりを感じさせる展開か。
粋な展開にうなる。

が。突如演奏は止まる。

「コーラスの返りとベースの音あげてください。」
「私もコーラスの返りをあげてください。」

これはただのPAチェックだったのか。
いや、PAチェックを兼ねた、粋な展開だったのだと思うことにした。
深読みにしては、あまりに粋だったから。
ぼくは粋な展開にヤラれちまって、このあと驚く程に潜って聴けた。

初めのうちは、中川さんのヴォーカルとsirafuさんのトランペットは、
珍しいことに本調子ではなかったように思う。
そんなこと気にならないくらいどの曲もすばらしかったけれど。

「なつやすみ終わるから元気なくて、今日は進行がダラダラしてます」
って言ってたけど、そのせいかな。

新曲「ポリネシアン〜」と「天の川」から始まった。

それから「暑いねーエアコンつけてください。…助かった!」
というMCを挟み、
「せかいの車窓から」、「自転車」へ。

「自転車」では周りから「おぉー」という声があったし、
やっぱりこの曲は人気があるんだろうなぁ。

イントロから疾走感がありますよね。
比べてみれば決して速くはない脚力のぼくらであっても、
全速力で走っているときの世界が後ろに流れていく、通過。

そんな疾走が思春期を迎えて、
尖って、すぐに傷ついて、むやみに傷つける時期を通過して。

春も過ぎ、夏休みも過ぎていく。

通過していくことは仕方ないけれど、夢も見ていたい。
でもわかったから、諦めて現実を送るから、
日常の合間にちょっとだけ夢見るくらいなら、ばちは当たらないよね。


そのあとは、錦糸町河内音頭の話へ。
高木さんが踊りのコツをつかんだぜ!
インスパイアされてる修業の成果を聴いてください。という適当なMCから、
いつものあのフリへ。

高木君が、面白い曲紹介しまーす。
やりまーす。

 「めくらまし!」

それから最近やっていないという最初期の曲、「たぶん」へ。
ふわーっとした雰囲気ながら、
おそらくsirafuさんの演奏(スティールペダル?)の影響で
ものすごい面白いことになっていた。
これはすごい!!!

なんというか、ぼくは彼らの歌詞の「断定しない感じ」がとても好きで。
「かもしれない」くらいがちょうどいいよなー。
そのくらいの言い回しが一番信頼できる。
BPMたぶん。」という言葉がふと頭に浮かんできました。

そのあとはパラードへ。いやぁ、すごい。
一番が終わった時に「おいおい、まだ一番だぜ!」
って周りのお客さんに自慢したくなったけど、
周りも知ってるわ!!!

そのあとは「傘はいつも」、「サマーゾンビ」。
事件だ!事件だ!
この曲、中川さんの言葉が一番届いてきた。

中川さんのヴォーカルが届くから、
元々フックの聴いた歌詞がとても生きていて、
どの楽曲もスローバラードのような情景力を持っていた。

 昨日は車の中で寝た あの娘と手をつないで

なつやすみの楽曲の歌詞って、ぼくたちの記憶(思い出)と感情、
それに付随するすべての雰囲気を釣ってくる感じがある。

「波」。
ノイズすらも心地いいなぁ。転調!

「なつやすみ(終)」。
sirafuさんの縦笛アレンジが凄かった。
もう「TNB!」で聴いてもあの笛の音が聴こえてくる。
ていうかsirafuさんはいくつの楽器操るんだ!

アンコールで「悲しみは僕をこえて」。
正直「麦ふんでほしいなぁ」と思っていたのですが、
もうそんな欲を踏みつぶすような素晴らしさで、
初め30秒くらいほとんど金縛りみたいになってました。
動けないんだもん!

人は誰かに信を置き切ってそれが叶ったとき、こんなにも気持ちいいのか!
母親とこどもの関係を少し思い出せた。
音楽にこんな聴き方があるとは!

いやー素晴らしかった。

sirafuさんはまだ告知できないけれど色々やってますって冗談交じりに言ってたけど、
音源はまだ出ないのかなぁ。
木漏れ日のうたは音源撮ったってつぶやいてたよなぁ。
それから、ラジオは緊張して反省してますって。

恒例の村野さんいじりはsirafuさんと中川さんで、なかなかなセクハラだった。笑

 みずきちゃんだけぶるまでしたとか!
 酔ったらおっぱいにトマト挟むとか!

「でへでへ ぐふぐふ」な陰湿おやじ化してたのは意外にも中川さんだったことを、
ここに報告しておきます!!!笑

前回のワンマンやインストアと大きく違ったのは、
メンバーがPAに敏感になった気がする。
そのおかげか、この日は特にスティールパンの音がきれいに出ていたし、
全体のバランスも、中川さんのヴォーカルを囲みつつ個々に主張してくれる
素晴らしいものになっていた。

FISHMANSにとってのZAKのような存在は、
なつやすみ自らつくっていくのだろうか。
(そういえばツイッターでZAKさんからDM来てたんだけど、
あれってスパムですよね?
lol ur famous now facebookうんたらかんたら」ってやつ。)

それで、この日の夜、ぼくは日付をまたいでも夏休みが終わることがいやで
眠りたくなくなってしまった。

かまってちゃんの「8月32日」という言葉に安心。
ぐっすり眠れました。


今朝のセミの音は、どこかさみしげだった。