近所の蕎麦屋

先週の金曜日、およそ一年ぶりにクラブへ遊びにいった。ベロチュー&ペッティングしてるやつらを尻目に夜通し踊り帰宅したわけだが、朝に近所の蕎麦屋へ足を伸ばした。この蕎麦屋にはゴリラーマンが置いてある。眠さと闘いながら向かうと、ゴリラーマンの棚の下にはすでに先客のおじさんがいて漫画を取れなかった。しかたなく美味しんぼを読んだ。
美味しんぼがどういう話なのかいまいちわからなかったのだけど、最初は初期のこち亀やじゃりん子ちえのようなムードが漂っていて一気に引き込まれた。

昨日、一週間ぶりにその蕎麦屋へ。今度はゴリラーマンには目もくれず美味しんぼ2巻に手を伸ばした。冷やしカツ蕎麦なるものがあったのでそれを頼む。550円とはいえ、カツは薄く、3切しか入ってない。諦めまじりに口に運ぶ。しかしこのカツのうまいこと。噛んだ瞬間、衣が大きな音を立てるとともに肉の脂の甘みが口に広がる。息継ぎもせずに蕎麦を運ぶ。口内に漂うその脂を冷たい蕎麦が吸着しながら、蕎麦が持ち上げるそばつゆとともに胃に吸い込まれていく。ああ!気持ちいい!脂のウォータースライダーや〜

脂の乗った魚の旨味を辛口の日本酒でさらりキリリと流すがごとし。心地よさに包まれながら2切れ目に挑む。うまい。正直冷やしカツ蕎麦なんぞ邪道と侮っておりました。顔をあげると大将と目が合う。恥ずかしさと後ろめたさで思わず目をそらしたがあまりにうまいので視線を大将の顔に戻すと考えるより先に「カツが美味しいです」と伝えてしまった。カツが、と言ってしまいまずかったな、と反省するも、いまいち聞こえていなかったようで、あ?と聞き返された。今度は「カツも美味しいです」と言い直した。めちゃくちゃいい笑顔をもらった。

なぜ、ああもトンカツが美味しかったのか。昨日からずっと考えている。天ぷら油が新鮮なのだろうか。蕎麦屋のカツ丼ならぬ蕎麦屋のトンカツ、あなどれない。キャベツのないトンカツなどトンカツではない!などと食べる前に能書きを垂れるのは少しだけ早いかもしれない。
まずは、冷やしカツ蕎麦、お近くの蕎麦屋にあればぜひお試しを!