自分が自分でいつづけるための護身術〜「コレヤロ!vol.1」に参加して〜

毎日300円で生活している。先輩から飲みに誘われたもののお金がなくてと断ろうとしたらおごってやると言うのでついていった。6時間近く飲んで会計の時に10円だけ払った。10円だけ払った飲み会は初めてだった。飲み会の途中、部長(尊敬すべきイケメン)から「スキャンのやり方を教えてくれ」とLINEが入ったためすぐに電話で教えた。スキャンのやり方に困りながら教えてもらう部長はかわいいなと思った。ぼくはなんだかんだ部長のことが好きだ。

土曜日。断続的に猛烈な雨が降っている。朝食は登山用に買っていたフリーズドライのカレー。賞味期限が切れてしまっていたので今日はこれを食べることにした。夕方までワンセグでテレビを見たり音楽を聴いたりしながら部屋でゆっくり過ごした。外は大雨が降ったり天気になったりしている。東南アジアかよ。久しぶりにテレビを見ていたら時間を忘れてしまいイベントに遅刻した。

この日は「コレヤロ!」というイベントに参加するため六本木へ向かった。フジロッ久(仮)はメンバー脱退後、東京では初ライブである。またこのライブの主催はフジロッ久の名物お客さんと言っても差し支えない中村さんである。いつも最前列でライブを楽しんでいるその様はいつしか当たり前の光景。お話ししてみると物腰が柔らかく、やさしい(はたらく)おっさんだ。そんな中村さんによる初企画でもあった。主催者の思いが企画に宿り、お客さんに通じることがあることをぼくは知っているんだけど、今日はまさにそんな日。中村さんのやさしさやあったかさが空気に混じっていた。実際はいつもと違う心持ちなんだろうけど、ぼくにはいつも通りに楽しんでいるように見えて、変わらない景色にとても安心した。なんだか人柄にほぐされたような気がする。ぼくなんて自分をほぐすことすらままならないのに、かたや他人をほぐすことができるはたらくおっさん、中村さんである。

フジロッ久はもうめちゃくちゃ興奮した。1曲目のワナワナ!は音の余白が多くてなんかメンバーの不在をどうしても思い起こしちゃったけど、2曲目シュプレヒコール以降は完全にフジロッ久でした。ファンがシンセ音を歌って補っていた先日のライブをふと思い出して笑った。ダンスミュージックさながら、ぼくらは踊りに踊った。もう嬉しくてぴょんぴょん跳ねてしまう。フジロッ久がフジロッ久している!帰ってきましたね。フジロッ久のファンばかりでは決してなかったと思うけれど、最後には後列まで巻き込んで鳴りやまない拍手が起こっていた。フジロッ久の一番自信がある曲たちを引っ提げたようなセレクトのセットリストでした。

WonderWonderはああいうポップソングにゴリゴリの動き回るベースが加わるところがめちゃくちゃかっこよかった。曲によってはほとんどギターみたいな動きをしていた。彼のベースが面白くてほぼ対角線のベースばかりをずっと見ていた。

外に出ると少しだけ雨が降っていた。地下鉄に乗った。地下鉄では酒に飲まれたおじいさんが対面にいた。考え事もせずに虚空を見つめていたら「なーに見てんだよー」と喧嘩を売ってくる。一瞬、胸がザワつく。ざわわ、ざわわ、ざわわ。しかしこちらは子どもではないので、背中の曲がった白髪の子どもに付き合ってるひまはない。今日のライブの余韻を大切に抱えて帰宅しているのだ。自分を保つほぐし方を考えた結果、CRYまっくすド平日を口ずさんで心を保つ。ぼくには自分が自分でいつづけるための護身術が必要である。

スーパーに寄る。今日の分のチラシを手に取ると今日は鶏肉が安い。このスーパーの底値。鶏肉とイカの塩辛と牛乳を買って帰宅した。