ウミウシとイヌ

給与明細をもらった。額面はまだしも社会保険料のせいで手取りが驚くほど低く、自分は○○万円の男かと考えたら死にたくなった。最近は毎日仕事をする度に、この仕事をしても○○万円だしな、という思いが頭をかすめ、手を抜こうとする自分と闘っている。最後の尊厳やプライドだけでなんとか自分を保っている。自己評価と手取り給与との乖離について、この悔しい気持ちを、ぼくは絶対に忘れない。会社のなかだけでもなんとか仕組みを変えなければならない。ひねくれて堕ちるのは簡単だがカッコ悪いのでイヤだ。

家に帰るとそんなことばっかり考えてしまい、少しおかしくなりそうだったので久しぶりに走った。とても気持ちよく、空気も埃まじりのシケタ空気ではない。途中から夏を終わらせる気持ちで走ったら軽い筋肉痛が残った。真夏に比べると汗をかきづらくなってきたように思う。気合いが入りすぎて懸垂をたくさんやった。走り終わるとくだらない冗談がふたっつみっつ湧いてきた。プラムを食べて眠った。

日曜日は吉祥寺のアルマカンで中川さんと藤原さんのライブを観た。予約受付のメールアドレスからすでに良い。ウミウシと犬。イヌって。修学旅行。ふたりの声の重なりが奇跡みたいに特別だった。藤原さんの曲と中川さんの曲はこんなにぜんぜんちがうのに、なんでおんなじように好きなのか不思議。藤原さんの曲は涙腺と汗腺と顔面が勝手にゆるんでしまう。パークとやさしいパンクスがさいこうによかった。中川さんが藤原さんからリクエストを求められ、「うーん、はたらくおっさん!」と答えていて、ひとりでやる姿が想像できずにおもわず「まじで」と口をはさんでしまった。脊髄から出た言葉。赤面。ところで脊髄から出た言葉はぼくの脳を通ってないのだからぼくの言葉ではないのかもしれない。

座っている中村さんが手を振って上げてのダンスをしていた。着席ライブでどうやってもからだを動かしてしまう人のことは信頼できる。
藤原さんの歌詞は服を着ていないという話題になっていた。藤原さんは、恥ずかしいくらいホントのことを胸張って言うからかっこいいのかもしれない。ロックスターなので話すときいつも緊張してしまう。

お気に入りの汁なし担々麺のお店で汁なし担々麺、花椒ましまし麺大盛りを食べた。相変わらずめちゃくちゃうまい。この店の大将はほんとにさいこう。お墓が減りすぎていたのでお好み焼きまで食べてしまった。お腹いっぱいすぎて頼んでしまったバイスサワーがほとんど飲めなかった。帰宅しながらバイスとは梅酢だったのかと気づく。涼しい空気がとてもおいしい。窓をあけて寝た。

今週末、突然、富士山に行く予定だったけれど山小屋がとれなくて結果予定が空いてしまった。久しぶりに家でゆっくりするか考えている。