躍りは盆に返らず

仕事終わり、金曜日の解放感に任せて、職場から歩いて帰る。途中1000円以内で唐揚げとビールで小休止、焼け終わった夕べの街を闊歩した。夏祭りに出くわす。盆踊りのフリータイムでは恋するフォーチュンクッキーが流されていた。ソウルミュージックの土壌を感じるようなホーンアレンジは、ズれた和太鼓やチンチンと高い音で刻むリズムに上書きされており、とはいえ盆踊りのアレンジはズレも含めてとても楽しげなもので、みんなが踊るその景色に感動したのだった。輪が内(やぐら)を向く踊りはそんなに多くない。確かに輪から外れていく高齢者もいるが、世代問わずに、特に若い世代がのびのびと踊る表情が印象に残った。

外回りをしていたら、喉に埃が入ってしまった。うがいをしても取れず、そのまま気管支炎になってしまった。咳が止まらない。勢いよく咳をしたら臓器がちぎれるかと思った。こんなときには白血球に征夷大将軍を任命したい。肺は悲しみの臓器と言うけれど、咳は絶望の生理だ。孤独が無力感を伴って包んでくる。孤独にはふたつあって、無力感を連れてくるものと、自己肯定感を連れてくるものがある。無力感を連れてくる孤独を、きっと寂しいと呼ぶのだろう。体調が悪くなると、コンビニごはんが増える。どんどんお金がなくなっていく。体調不良をおして出勤したもののあえなく早退。空は青く雲白く、夏のひなたの影は濃く。

新規事業の部署にスタートアップとして異動。腐ったらどこまでも発酵してしまいそうなので、心を折らないように前を向いて仕事をしている。部下や後輩の存在だけが支えだ。いつのまにか、人とのつながりに希望をみるようになった。yojikさんがツイッターで親切と正直さについてツイートしていて、最近うっすらと考えていたことズバリ核心をついていたのでいいねいたしました。

夏もまもなく終わってしまうね。