青葉市子・haruka nakamura「流星」

青葉市子・haruka nakamura「流星」
・日時:2012年7月7日(土)OPEN 18:00 / START 18:30
・会場:永福町sonorium (東京都杉並区和泉3-53-16)
・出演:haruka nakamura / 青葉市子
    (with ARAKI Shin / isao saito / akira uchida)
・料金:3500円(限定80名)

ライブ通い強化週間2日目、「流星」。
七夕企画ということで特設HPまでつくる、相当な力の入れ方。

HPから聞こえてきた青葉市子のブレスヴォーカルが目立つ音楽と
幻想的な星空の微速度再生映像に惹かれて、これは行かなければ!と即予約。
限定80名でチケット即完売したレア企画でした。
青葉市子のライブはたしか3度目?で半年ぶり。

永福町のsonoriumという会場。

永福町はうちの地元に似た、街というより町。町の電気屋さんを久しぶりに見た。
こういう町は信用できる。
東京って新宿や渋谷みたいな街が代名詞だけど、ぼくは東京の、こういう町が好きだ。

ライブ前にモナレコード平賀さち枝・片想いの予約をし、モスバーガーで休憩して、会場へ。

会場前には素敵なお寺。
さすが七夕、男女参加多い。
ここでひるむなかれ、常連のおじさんメンバーの顔を見てちょっと安心。

会場は前から2列目中央、みんながよく見える超絶良席。

本日限定の音源「流星」もゲット。シリアルナンバー4でした。

こちらの感想はまた後日(http://d.hatena.ne.jp/X_Y_Z/20120721/1342836805)。

参加するまで、haruka nakamuraさんは少しストイックな感じの女性だと思ってました。
彼らの演奏は静かに始まり、何度かの転調を重ねた。
ぼくは彼らの演奏に静かな熱を感じ、心のうちでバーストした蒼い火が身体の外へ広がっていった。
まるで身体が拡大し、世界とひとつになりかけるような。

「うつくしきひかり」に感じる、はかなき者たちのにぎわいを聴いた気がした。
ひょっとすると、初めて「ライブ」と称した人は今日のようなにぎわいを目撃したのかもしれない。

終演すると同時に、CDを買ってました。

Twilight

Twilight

その後、青葉市子へ。
印象ががらっと変わっていた。長い黒髪は右側にまとめて、紺色のドレスを身に纏う。
なんだか妖艶です。
あのまつげまで伸ばす黒髪がぼくには仮面のように見えていたのですが、
それを外して、もしくは脱皮しているように思えました。

1曲目は定番、はじまりラインがあいまいな「不和リン」。
その後、「Imperial Smoke Town」と、
うたびこツアーで必ずやることにしているという、七尾旅人のカバー「圏内のうた」。
このあたりは、青葉さんの芯のある選択を感じました。

その後、うたびこから「私の盗人」、
某師匠のカバー「機械仕掛乃宇宙」、
「奇跡はいつでも」へ。

どの曲も、ギターの弦を抑える手に向ける眼差しがもはや職人。
半年前よりストイックさが格段に増していた。
集中力の研ぎようがすごい。

その後、harukanakamuraさんたちと一緒に「流星」、「ひかりのふるさと」、
もう一曲はたぶん「星の目覚め」。
ここでステージ背景にプラネタリウムとは違う形で
地上と星空の幻想的な微速度再生映像を流しながら演奏したんですが、
まあそれが素晴らしいこと。
こちらのHPで疑似体験できます。
http://www.kitchen-label.com/starlight/

「流星」の歌詞に「ほしをつかまえよう ぼくらのほしを」とあるのですが、
それがストンと落ちてきました。
そういうことだと。
そして、ぼくらもほしなんだと、ぼくは思いました。

あの日はあいにくの空模様で星は雲に覆われていましたが、
少なくともあの場では、織姫と彦星は交われたはずだ。
――そんな確信があの日は確かにありました。

もうぼくには、
「鳴り止まないで!」という思いと、
「これ以上アンコールなんて要求していいはずがない」というある種の罪悪感のようなものが
交互に押し寄せるラストでした。

終演後、ぼくの心は言葉が消えていました。
心地よい沈黙で満たされた心。
そんな気持ちであの商店街の道を僕は歩いていました。

――音楽を聴いてどうするのか?
そんな問いに難しい答えは出ないのだろうけれど、
いまのぼくは音楽を聴かずにはいられない。