青山純情商店街

表参道から徒歩1-2分、青山CAYというお店でライブでした。

小池アミーゴ企画の「青山純情商店街」です。

地下に進むと、お店があります。
前方のステージはどの席からもよく見えます(たぶん)。

タイ料理を出すお店。
タイには実際にああいう雰囲気で、
料理を楽しみながらダンスショーをみれるお店がたくさんあります(たぶん)。

青山のお店ということで、
男一人で入っていくには高飛び棒でもないと超えられない高さのハードルを、
魅力的すぎるブッキングとチャージの圧倒的安さ(なんと2000円!)が
トランポリンに変わり、軽がると敷居をまたげました(図太い!)。

決して安くはないメニュー(メニューも企画仕様!)の中から、

「このライブが見れるんだから、チャージ分以上奮発しちゃおう!」ということで、
ぼくはタイの焼きそばと生春巻きと飲み物をオーダー。
(それでもこの二組のライブが見れるのはまったくもって安い。)

はじめはバクダンカクテル、二杯目は生搾りイカジュース(女子か!)。

開演前、お酒を飲みながら待っていると、HISの「幸せハッピー」が流れてきたのです!
これには興奮したー。

HISは細野晴臣忌野清志郎坂本冬美という奇跡のユニット。

小池アミーゴさんには「今日はハッピーにしたるで!」という気概があったのかなあ。
そんな意味はなかったかなあ。笑

でも、企画趣旨を見てみるとあながち間違いでもなさそう!
あした天気になあれ」とおなじ温度で、
「みんなはっぴーになあれ」ふうな下心を感じるわけであります。

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 世界一哀しい唄の流れる街。そして世界一ハッピーな唄が生まれる街。
 そんな街を東京青山で取り戻そうと思います。
 ド平日の夜に財布に優しいお値段。仕事帰りにフラリ足を運ばれるのもケッコウ。
 良い唄旨いメシ取り揃え、「青山純情商店街」アナタの居場所はココです!
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においます。下心におっております。

さて、この日のライブはとても楽しみにしていました。
青葉市子はもちろん、6月末に下北沢のmona recordで
baobabの「Botanical」を買って、
「これは!」と期待していたところに、このブッキングを発見したのです!
そりゃあ行きます。

やっぱりbaobabはすごい。
最初小池アミーゴさんのPAがけっこう不安定(ギターの音が小さかった)な中、
2曲目「Giggle」で一気に会場をバーストさせてた。


すぐに青葉市子に交代。
baobabの前座的な扱いにぼくは相当な物足りなさを感じながら、
おそらく一緒にやるであろう演奏に期待して青葉さんに集中。

 レースの向こう、IMPERIAL SMOKE TOWN、Mars.2027、
 SOUL!!、圏内の歌、奇跡はいつでも、流星、ひかりのふるさと、

的な流れで曲を進めた(あってるかは自信なし)。
七夕の流星企画に比べて、軽めの印象。
青葉が笑うと、なんか包まれる。
ストイックな青葉もいい。笑顔の青葉もいい。

「アミーゴさんとはかみあってるようでかみあってないんです。」
「いやぼくはかみあわせたいと思ってる!」
とか。

YouTubeに勝手に載せてるんです!」
「いや載せてない!」
とか。

20歳そこらの女の子がおっさん一人をいちいちもてあそんでるのは見ててかわいい。

この日は、おそらく間違いなく、半分以上が「初めて来た」という客層を意識してた。
前回の流星企画は濃ゆい客層だったから。
(「今日の客は速攻予約&粘りのキャンセル待ち」とharuka nakamuraさんが言ってた)

ギターに向けるまなざしもどちらかというとやさしかった。
これは席が前回よりも遠かったこともあるかもしれないが。

ただ、「歌い継ぐべき歌」と青葉市子に言わしめる
七尾旅人の「圏内の歌」は、やはり名曲だ。

イメージできる歌、というのは名曲の指標の一つ(あくまでもぼくの中で)。
もうありありと、歌の河底に流れる独特なメロディー、というか音圧が、
ぼくらに歌詞のイメージを持ってくる。

ソウルくんの歌?は始まり数秒で名曲認定。
イデア勝ち、と言って済ませられないなにかがある。
「青葉市子が」歌うということが、この曲を名曲と決定づけているように思った。

流星はずいぶん印象が違った。

Mars2027は初めて聞いたけれど、
「腐れない身体なら返したい」的な歌詞が印象的だった。

青葉市子のライブに行くといつも感じることは、
声が大きい人が強いという定理は社会の多くの場面で当てはまっても、
音楽には当てはまらないということが分かる。

静かに座ってウンウンとか言って観てるライブって何が楽しいの?
とよく聞かれる。
青葉市子のライブ中のぼくは、その答えを知ってる。

彼女は、どんなスピードでどんな景色を観ているのか。
彼女の身体と5日間で良い、入れ替わってみたい。


その後、baobabに再度タッチ。
すぐに思ったことは、このバンドはギターがグルーヴを牽引してつくってる。

baobabはこの日ホントにすごかったと思うんだけど。
まずなにより曲がいい。演奏も素晴らしかった。
さぐりさぐりの客を心折れるそぶり一つ見せずあそこまでの一体感をつくった。

それからMCのかけあいがいい感じにフォローしあってた。
特に印象的だったMCがある。

明らかに肩に力入ってたマイカさんが、
「今日集まってくれてありがとう。貴重な機会、…尊い。うれしい。」
すかさず松本未來さんが、
「おおげさになってるよ」

もうこのかけあいで「ああこの人たちは信頼できるなぁ」と思った。
ぼくが置いた信は間違ってなかったと思う。

アンコールでは青葉市子と「ふるさと」を。
青葉市子のヴォーカルって青葉の世界を離れても味があっていい。

その後、ダブルアンコールの時だったろうか。
baobabの演奏中、青葉さんが素敵な人だと感じた景色があったのでご紹介。

ぼくの位置からはドアが開いている控え室が少しだけ見えた。
ドアの隙間から、おそらく誰もいないであろう控え室で、
ぼくらのダブルアンコールに交じって、一人拍手している青葉さんの手が。
なんかもうそれだけで尊敬した。

この人はこういう心を持ってる人間なのかと。まさに純情。
信を置いた。置き直した。

終演後、baobabの3rdアルバムを買いました。
しかもスタッフの計らいでサインまで頂けました。
たぶん自我が目覚めてから初サインです!
それがbaobabで良かった。

…つい最近まで「別にサインなんか欲しくないよ」って思ってたぼくは
一瞬で塗りつぶされました。笑

マユカさんが
monaでもライブしたいんですよー」
とおっしゃってました。

だったら会社休んででも行きますよー。

あーもう。
しあわせだーはっぴーだー
鳴り止むな、幸せハッピー。

昨日のライブにかかわってくれたすべての方、ありがとうございました。