幻のインストアライブ
TNBレコ発インストア@新宿タワレコにはちょっとした思い出がある。
ぼくがTNBに出会ったのは、6月の前半、アルバム発売日当日(かその直後)だったと思う。
たしかあの日は、You tubeで奇妙礼太郎を見つけ、いてもたってもいられず、
夜の9時を回ってから家を出て新宿タワレコに向かったのだった。
それから、気になっていたユメオチと、どうしても気になったTNB!を買った、のだと思う。
このとき興奮しすぎてたのか、時系列が怪しいけれど、たぶんそうだと思う。
正直、最初「TNB!」を視聴したときは「いい曲だなぁ」と「ジャケットが洗練してるぜ」程度で、
ものすごい感動というものはなかったように覚えているけれど、
2~3日が経つうちに、何度聞いても飽きないことに気づいた。
それどころか、どんどんはまっていく自分に気がついた。
これはもしかするとすごいことが起きているのかもしれない…。
ザ・なつやすみバンドのメンバーについて、性別も顔も編成すらも知らない状態で、
ぼくは6月11日、インストアに出かけた。
その日ぼくは華麗に定時退社を決行。
20時からのライブに備えて、マックで時間をつぶし、ネットカフェで時間をつぶした。
19時30分ぐらいだろうか、そろそろかと思って、
お店に着いた時にはすでにお客さんでいっぱいだった。
熱気がすごい。
ただ繰り返すが、このときのぼくはそもそもこのバンドが何人いるのか、
どんな顔の人たちなのか、メンバーの性別すらも知らない。今回が初めてだった。
唯一、ヴォーカルが女性ということくらいしか、事前の情報はなかった。
あとはバンド名。
「ザ・なつやすみバンド」
そのくらいだった。
まず、着いてびっくりしたのは集まったファンの99%が男性ということ。
彼氏の連れ、のような女子が2人程度いたくらいで残りは全員男性だった。
20時にはまだ早いからか、ステージでは前売りCDの特典券2枚以上のファンの人は、
メンバーとの写真撮影会という特典をかみしめていた。
ファン同士も仲がいいらしく、雰囲気はあったかい。
さらに驚いたのは、メンバーが4人女性で、というか、
どっからどう見ても中学生か高校生くらいの女の子だったということだった。
どう見ても売れないアイドルにしか見えなかった。
バンド?マジで?
彼女たちがあの音楽?
事前にぼくが聴いていた限りでは、あの音楽の作り手は22〜26歳くらいの目線だと思っていた。
この年であの歌描けるの?ちょっっ天才!!?
20時が近づくにつれ、会場の熱気は増していく。
そして、20時になるかというその時だ。
司会者は高らかに叫んだ。今日一番の高い声で。
「それでは!本日6月11日のイベント!
これで終了となります!」
「みなさん!
『ライムベリー』の4人に大きな拍手をお願いします!」
うおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
(怒号)
ヴぉーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
(慟哭)
ぼくは急いで財布の中の特典券を確認した。
ザ・なつやすみバンド
インストアライブ@タワーレコード新宿店
「7月9日(月)」
おい!!!!!!!!!!!
今日は6月11日だから!!!!!!!!
月曜しかあってない!!!!!!!!!!!
なにをどう勘違いしたんだ!!!!!!!!!!!!!
だれだ、ライムベリーって!!!!!!!!!!!!!!!!
そんなぼくを尻目に、ライムベリーとファンは最後の別れの
(おそらくお決まりの)掛け合いを全力で楽しんでいた。
7月9日はそんな思い出し笑いを胸にTNBのインストアライブを楽しんでいたのは、
さすがにぼくくらいなものだろう。
後日、新宿タワレコの試聴コーナーで懐かしいあの名前を発見!
ライムベリーの音楽を改めて聴いてみて、「あれ、わるくないな」と思ったのだった。