12月のこと

12月はとても充実している。
TOIROCKから始まり、とんちまつり、ロロ、スローモーション。

とんちまつりはceroあだち麗三郎セクステットが圧倒的によかった。
すごすぎて心が空飛んでた。
飛行機は前から風を受けて空を飛ぶというけれど、
あれだけの風を受けたら空飛ぶしかないじゃないか。

それから、ロロ「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校」を観た。
もともとは「父母〜」をhiko1985さんのブログを見て行ったことがきっかけだったけど、
いやよかった。

正直「父母〜」が凄すぎて物足りない感はあった。
けど、けどだ。

60分に敷き詰めた「父母〜」に孵る前の可能性がすごい好き。
役者の汗とか呼吸とか細部につかまれて物語に引きずられた。

音楽でも演劇でも演者に対して「かわいい」って感想はどうなんだって常常思ってるけど、
あの日の島田桃子だけにはもうそれでもいいんじゃないかと思ってしまう。

島田桃子の土で汚れた手は書かずにいられない。
自分を汚すことで自分が綺麗なものであったことを理解する、みたいな逆説に似ている。
壁一面に貼られたあの不思議なクレヨン絵の中では、真ん中にあった三日月に乗って旅する王子様みたいなやつがすき。

どのシーンも魅力的だったんだけどやっぱラストに向かって、速さに乗っかって到達する飛距離にやられたのかもしれない。発散しまくった末にどこかで反転してラストに向かい収束しかけるも結局散らばっていく。小学生たちが育んだ光はつながっていく。光はどこにもいかない。巻き戻しする必要もない。
だって僕らの記憶にはあの日ロロがつくった景色がスクラッチされているから。でもそんなひっかき痕はすぐに消えちゃうかもしれないけど、そんなの全部ひっくるめて、ってことでいいんですよね。瞬間瞬間の好きに誠実であることで。

最後のカノンに乗っかって時速25kmくらいで駆け抜けるラストシーンに一瞬、寅さんの口上に似た心地よい響きを聴いた。意味とかよくわかんなくてもなんとなく伝わる確かっぽいことってあると思う。かき鳴らすギターと無性に悲しく響く鍵盤ハーモニカに挟まれた光のらせんが台詞を放射してた。

スローモーション。
あのときの片想いはなんか色々更新してたな。ライブはあっという間に終わって。YouTubeのハッピーバンドな感じより洗練されてて今の片想いが鳴ってた。DVDでほしいー

平賀さち枝with中川理沙。
中川さんの鍵盤はソロの原田郁子然としながら、いつものジェンガみたいに小刻みに音を抜いてく疾走音も健在。でんぐり返しみたいに転がっていく平賀の歌を鍵盤が後押しして運んでいく。

二人のプライベートは共有してないぎこちない感じ。GLAD ALL OVERの清志郎とチャボを思い出す。危うさ伝わってよかった。安心して聞けない感じ!笑 平賀の自由なMCに翻弄されかける中川さん。恋はどうですかとか、なんかやってつないで、とか。

今夜は空気公団×ザ・なつやすみバンドですね。
参加できる方、楽しんでくださいねー!