うつくしきひかり@VACANT

昨日は約半年ぶりのうつくしきひかり。
圧倒的に更新してました!みなさん、期待してください。

イベント自体、色んな音楽が漂っていて、終始夢と現実のまどろみを生きていました。
高めのチケット代がプラスに働いたのか、人数もゆったりめ。
最初はうつくしきひかりに5000円払ったようなものでしたが、
あのライブを観れたのだから、ぼくはとても満足です。


あの場にいなかった人に、なんとかあの静かな青い興奮を伝えたいと思って、ペンを握っています。
――ペンよ、走れ。

ときは19時。
MC. sirafuさんが小さめのターンテーブルに針を落とす。
エフェクターを駆使しながら、VACANTの四角に向かって、
多くない数の音を投げて、描いて、響かせる。
音は反復する。退屈で幸福な日常のように。

どれくらいそうしていただろうか。いつの間にか中川さんは演奏に参加していた。
うつくしきひかりの前に演っていた「Janis Crunch + Rayons」があまりに早く終わってしまって、
集中力のかけらもなくなっていたぼくは、このときすでに彼らの音に引き込まれていた。

もうぼくはわかっていた。
このうつくしきひかりがいままでとまったく違うひかりだということが。
ただぼくにはまだわからなかった。
このうつくしきひかりがどんなひかりかということが。

――突然、鍵盤のリフレインが響く。長めに響く。
その時だったと思う。
うつくしきひかりがとんでもないことを始めているってことが、わかってしまった。

これは90分の演奏に向けて、1stの重心である「セカンドライン」を1曲目に持ってくる構成。
セカンドラインに頼らずに、
いやひょっとすると凌駕してしまう程のとんでもない名曲を
彼らはすでに授かっているのだ。

セカンドラインの種は膨らみ、体積ばかりを増して、気球のように空に高く上がっていく。

1st「うつくしきひかり」とは、言うなれば、
空から産み落とされた中川さんの歌と鍵盤が湖面に着床し、
sirafuさんのスティールパンが波紋のように広がっていくその光景の積分だったように思う。

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昨日のうつくしきひかりが奏でた「セカンドライン」は逆に、天に立ち昇る煙のようでもあった。
1st「うつくしきひかり」の火葬だった、と言われれば納得してしまうような説得力すらあった。

第二章だ。
30分を超えるセカンドラインで、うつくしきひかりは第二章のドアをくぐった。
どこでもないドアを。

何処でもない何処からか やって来たのなら
何処でもない何処かへ 帰っていけばいいサ

仲井戸麗市「My R&R」

LONG SEASONなんてたとえは出す必要すらなかったと反省している。
既に打ちのめされたまま、演奏は続いていく。

第二のハイライト、「木漏れ日のうた」へとつながっていく。

帰る家を間違えるなよ
最後に音楽 流れて
「木漏れ日のうた」

この曲の最中、前列の方々の身体が左右に揺れていて、
この曲の飛距離を改めて認識した。

新曲も含めて、もううつくしきひかりは1stにはいない。


――第二章のうつくしきひかり、君はもう観たか?