神田まつや、もってこーい!

昨夜は神田まつやに会社の同期と行ってきた。
思えば内定者懇親会のときに交わした約束で、昨日やっと実現に至ったわけです。

実を言えば近くの神田藪そばは去年の夏に実現していたが、
ぼくはやはり藪そばよりも(先日火事に遭ってしまったが…)まつやが好きだ。
店の雰囲気というよりも、まつやのわさびかまぼこで軍配なのです。

まずはお通しの蕎麦味噌を舐めつつ、その深さを菊正宗のおともに味わう。
冷の菊正宗はすっと身体に馴染む。そう、これは会話の隙間に挿し込む光だ。
同期との会話も不思議に弾むのは、これから来る料理に踊る心と別ではないかもしれない。

続くかまぼこは香り・弾力ともに絶品であり、もうぼくはこれこそがまつやと言ってしまいたい。
そこにあるのは新鮮な刺身でも召しているかのような錯覚だ。
ハンバーグが肉を挽いてから固めて作るという矛盾が、小さい頃どうしても受け入れられなかったぼくだが、こんなかまぼこがあるのだから、この種の料理への敬意は捨てることなど出来やしない。

照り焼きのような焼き鳥。優しい黄色のカラシをつけて白と緑と焦げ色が混ざるネギと絡めてほおばる。
鳥を噛むほど口にあふれるジュース。
あふれた汁が潤してくれた乾きは喉だけではなかったはずだ。

最後に頼んだにしんの棒煮は、まるで佃煮のように甘辛の汁が染み込む。
ほろっと崩れる身を蕎麦湯と味わうのだ。
酒が足りんぞ!酒だ!もってこーい!もってこーい!(おくんち風Encore)

〆に頼むは濃いめのそばつゆにつけてすするそばだ。その隙間のなさ!
この一連の時間はまるで名アルバムだ。
才能と愛で練られたライティング、ブレない演奏、隙間に挿し込む色彩、それを支える圧倒的なフレッシュネス。
――信州信濃の新そばよりも、わたしゃあなたのそばがいい!
今回は頂かなかったうにも絶品で、ぜひうに嫌いに食べさせたい一品です。



同期の中でも温度が似ている男女二人と飲み食いしてとても幸せでした。

まつや、もってこーーーい!!!