原田郁子「銀河」を歌う。

大宮エリー「ARTIST」という地上波番組で原田郁子が「銀河」を歌った。

「銀河」というのは原田郁子ソロ3部作の最後を飾る表題曲にして、忌野清志郎との共作。原曲は13分30秒を超える大作で、この曲が地上波で流れるというのはTV曲にとっても(深夜枠とは言え)大きな挑戦だと思う。

野暮を承知で少し原曲の説明をはさもう。祝福のコーラスと波間からすべては始まる。海から始まるもの、それはきっと生命だ。静かに、しかし確かにそこにいる郁子の息遣い、徐々に重なり合う鼓動。突如挟まれる郁子の声。そこにサザンソウルからsucceedした鋭利なシャウトではなくfragileな赤ん坊の寝顔のように絡んでいく清志郎のコーラス。
これはbe動詞だ。存在を奏でる歌だ。

清志郎の歌は終わる。そして演奏はsucceession!(今日の文章はルー大柴みたいになってます)
(わからないという名の)銀河って、人生のことだと思ってて。原曲では12分頃に向けて曲は穏やかさを増していく。刹那、12分を過ぎたあたりで落ちる雷!その後の展開はまるで清志郎の人生だと思うのです。そのときぼくらは、雷(ガン)を超えて最期の命を燃やす生命の音を聞くのです。おそらくタイミング的にも、清志郎が「銀河」に込めた思いってあったはずだと推測してしまいます。RCへの思い、清志郎の人生、そんな景色に音の展開を重ねてしまうのは行き過ぎたファンの深読みなのでしょうか。希望を捨てはせずとも最期を覚悟する男がそこにいたとして、あなただったら曲に何を込めるだろうか。

そろそろ、番組の話に移ろう。トランジスタラジオの一節、「うまく言えたことがない」を挿み、間奏やリフレインのアレンジをJAZZYに変えながらも、「銀河」を大切にしてる郁子、かっこよかった…!いつかオケ規模で、この曲を聴いてみるのが密かな夢です。
郁子のヴォーカルにかぶせるように清志郎の声が心の中で流れていたのもよかった。

エリーと創った曲もまた素晴らしく、変わりたいと思った瞬間に変わっている、掛け合い、エリーの鳴らす弦も良かった。

youtubeの映像はあまりに音が割れてしまっていますが、実際はもっとよかったです。


清志郎が亡くなって今年で4年目。彼がいなくても世界は変わり続けている。