夏真っ只中。

気づけば7月も終わりだ。8月が始まる。

平日は通学中の小学生に会うことはなくなった。交通整理のおじさんもなつやすみ。サラリーマンと薄着のOLどもは信号無視する日としない日があって、あの横断歩道で信号無視した日はすこし罪悪感が残るのはきっとぼくだけじゃない。

休日は必ず小学生と母親たちのおでかけにでくわす。おかあさんたちのがんばりを見る。暑いもんな。

土曜日は、東京タワーのドラえもん展に行き、ある少年に出会った。
2家族で来ているその少年は、かわいい少女と手をつなぐ。少年の前頭部にはタケコぷターが前のめりにのっかっていて、少しずれた眼鏡の先にはきらきらした瞳が。その風貌はまるでのび太くんだ。机から顔を出せる写真ゾーンでは少年だけなかなか顔を出してくれず(初めは後ろの窓ガラスゾーンにいた)、4枚も写真を撮り直し、ついには行列ができてしまう。母親に叱られるもまったく聞いていない少年。正直どんくさいが、なぜか注目され、しかも嫌味がない。人間力は年齢にかかわらず宿るのかもしれない。

その前の週は大森の小さな映画館で「風立ちぬ」を見て、そのあとは飛行機が見える公園にバスで移動、レジャーシートを敷いて寝っ転がった。あの日最高の一日はぼくに宿った。風が吹き、薄青い空には飛行機が飛んでいた。

歩いてばかりいるが、今年の夏はとても楽しい。

昨日は定時で仕事を抜け、地元の商店街で焼き鳥を5本買った。ぼくが物ごころついたときにはすでにあった鶏肉精肉店で、少し耳が遠いおじいちゃん(焼き大将!)とおしゃべりを交わす。

「何本?え?2本?3本?2本?2本ね!」
「今日はおなかが空いちゃったの?(満面の笑み)一本食べていく?ん?」
「地養鶏はおいしいんよねー(満面の笑み)、でも焼きに時間がかかるんだよ、レバーとこいつは。」
「慣れた人になると、レバーとこいつを先に頼んでくな」
「ふたしちゃうよ?本当に食べてかなくていいの?(意地悪な笑み)」

凪の感情に彩色を加えてくれる瞬間が、大事な人ではなく関わりの薄い人との重力のない会話であったとして、それは素敵なことかもしれない。

ベンチに座って焼き鳥を食う。噛む。のみ込む。目の前の公園、バングラディッシュあたりの少女がくるまの遊具で遊ぶ。なかなか帰ろうとしない少女を置いて母親は帰ってしまう。母語で話すので詳細は分からないがこのシーンはどこの国だって同じだ。泣き叫ぶ少女。10分後、少女は嗚咽まじりにくるまをひきずりながら追いかけるが、母親の姿を見つけた瞬間、くるまを置いて母親にダッシュ!かわいすぎて吹いた。ぼくは完全リストラされた変質者でした。勤労に感謝!

土日は花火が中止になったり地元のお祭りが中止になったりで、こどもたちや浴衣の女性がかわいそうでした。毎年、7月の月末は晴れていたのですが。
そんなこんなで今年は地元の団地祭りでオバQ音頭のエンドレスリピートが聴けなくて、とても悲しい気分です。いま汗を滴らせながらYoutubeで聴いていたのですが、この歌はクロープンな団地に響き渡るからいいのだなと思いました。

最高!

焼きナスがうまく焼ける人、夏祭りであんず飴を買っちゃう人と結婚したい。

今日は月刊ウォンブです。勢いで夏期休暇一日目を取ったのですが、いまの時期は定時帰りなので明日取れば夜遊び出来たな、と思いました。

夏真っ只中です。



(ガルシアの)風立ちぬ