早稲田大学学園祭「うたかたの音楽会」青葉市子×平賀さち枝×森ゆに×中川理沙

昨日は早稲田祭の「うたかたの音楽会」というライブに行った。

青葉市子は相変わらずだ。ギターの一音、吐息やハミングだけで景色を作り込んでいた。今回の4thはあの「流星」超えと言ってしまっていいのかもしれない。

彼女の魅力の一つは、教育テレビでやってる人形劇や影絵物語的な緊張感のある世界観をギター1本で浮かび上がらせることだと思っていて、それは「イソフラ区」とか「機械仕掛け」に一番感じていたのですがここにきて「いきのこり●ぼくら」でそのバトンを引き受けた感がありますね。

休憩中、飲み物を買いに外に出たのだけれどどの店もタピオカしかなくてでも喉乾いてるしどうしようかと思っていたらかわいい女子大生に「いかがですか?」「じゃあ買います」「やー!!ほんとですか!!!!ありがとうございます!!!!!」ってやりとりでちょっと幸せになった。

途中、廊下で座り込んでいるミノダさんに出くわした。少しお話できて嬉しかった。


平賀さち枝は正直、すこし残念なところもあった。まずギターの音があんまり綺麗じゃなくてギターの弦足りてなかったんじゃないだろうかとすら思った。あんなに硬い音じゃなかったはずだ。PAでも苦労していて歌で引っ張ろうとして間違えちゃったりもして。彼女の個性は最低限出ていたし曲はどれも良かったと思うけどいい時の興奮を知っているだけに。


森ゆにさんは去年のTOIROCK以来で、気高く凛と歌う佇まいが声に乗っていた。素晴らしかった。個人的には未発曲の3曲目と「帽子」、「何をしても」、「星のうた」、そして最後に「ここでしか歌えない歌」と語り朗々と歌い上げた「早稲田大学校歌」が印象的だった。


中川さんは相変わらずだ。衣装も可愛い。
フジファブリックの「若者のすべて」のカバーを聴くのはこれで3度目。いままでで一番良くて、泣いた。帰り道、Youtubeでずっと聴いていた。

夏は死んだ。きっと死んだのだ、夏は。

大好きな「ゆうびんやさん」では森ゆにさん登場。

二人が声を重ねた瞬間のあの一音は、この日起きた奇跡だと思う。目をつぶって聴いていたのに奇跡の先を見たくてぼくは二人を探した。

高木さんとみずきちゃんが参加して「車窓」と「木漏れ日の歌」、「ファンファーレ」。
「車窓」はアレンジがだいぶ変わっていて別の曲みたいだったけれど、コピーバンドが演ったという「天の川」に応答するような感じがして、個人的にはよかった。

そして木漏れ日の歌だ。この日は、歌詞を大切に聴いた。例えば寝る前にお世話していたお気に入りのぬいぐるみだったり泥団子だったり雑木林で見つけた昆虫だったり折り紙で作った手裏剣や輪ゴムでっぽう、つまり子どもの頃の宝物のようなフレーズで編まれていた。歌詞だけでも売ってくれないだろうか、と本気で思ってしまう。2000円までは即買。3000円ならちょっと悩んで買う。
いままでしたことないけど、この曲はCDかレコード出たら3枚買っちゃうだろうなぁ。

未発曲をライブでこっそり録音するのなんていまのテクノロジーの敷居からしたら簡単だし、まあばれないだろうけど、心に刻んだワンフレーズを大切に口ずさむような聴き方はなかなか良いもんだったりする。木漏れ日のうたの歌詞だけでもわかれば自分でも口ずさめるえるのに!という思いの反面、過ぎてく風をつかまえるような聴き方はいましかできないんだよね、とも思う。


4人の女性SSW、みんな個性が違っていてとても満足でしたし、間の選曲センスも良くて、手作りの会場もとても良かったですし受付の女の子たちも丁寧でよかったです。満足しました。

久しぶりのブログでした。やっと書けて、いまちょっとだけ嬉しいです。