下北沢インディーファンクラブ2015

シルバーウィークの2日間、下北沢インディーファンクラブ2015に参加してきた。

今回は過去の経験を生かして観たことのない人をメインで、疲れるのでお酒を入れすぎないように。それから観る人をあんまり固めずに、そのときの体調と1日のバランスで決めるようにした。

観てきた人たち
1日目 10組
チークタイム温度、ESV(endless summer vacation )、Anney The Clusy、Hara Kazutoshi、TUCKER、ナインティーン、STOONDIO(Thailand)、manchester school、ムーズムズ、T.V. not january

2日目 8組
フジロッ久(仮)、HAPPLE、酒井己詳、小鳥美術館、Wedance、永原真夏とSUPER GOOD BAND、VIDEOTAPEMUSIC、三輪二郎


チークタイム音頭の出番前、ずっとオーティス・レディングがかかっていて、まるで準備体操を促されてるよう。促されるままに軽めに踊る。

チークタイム温度。7インチのかっこよさそのままに踊れる曲を披露。かれらのレコードかけながら部屋で踊ってるので(!)まったく違和感なく踊れちゃう。おれも一見さんだけど周りのみんなとは慣れがちがう!
んにしてもトラックがよくて、ウィットがあって、ことばもかっこいい。さいこうのはじまり。

そのまま併設するTHREEへ。ESV。今年に入ってヒップホップ聴く機会が増えた、楽しいなー。最後の曲とても良かった。本部の物販行ったら携帯番号書いてあったけど掛ける勇気は出ず。

そのあとは女性の弾き語りへ。連日の睡眠不足でうたた寝。回復。

そろそろいつもの人をみたくなり、ホライズンとHaraさんで迷いHaraさんへ。ミツメは待ちの列を見て心がおれた。

440へ。リハから最前で待つ。囲むリズム隊が厚海さんと岸田さん、そこにフルートまでのっかるなんて、さいこうにきまってるじゃないか。直前に決めたレッドブルのせいか、リハの後に少し寝ていたからか、結構全編うおーって熱くなった。厚海さんってものすごいtenderにベースに触れるんですね、演奏のタッチがやさしい。

近くのTUCKERさんへ移動。満員で姿はあんまりみれなかったけど音楽は聞こえるので踊る。急にものすごいもりあがったので低い背を頑張って伸ばす。うーんとステージ覗いたら火を起こしててぶちあがった。パンクバンドかよ。この日のアレンジも攻めてた。

隣のナインティーンへ。これまた初めて。クラブで聞きたい。踊る。
また隣へ。もうThreeなのかベースメントバーなのかタイムテーブルみないとわからん。ココナッツの甘い香りが入口に漂ってるのがThreeでした!
タイから来たバンドSTOONDIOは音の塊をそのままぶつけてくるみたいな音楽でした。少し懐かしい音楽、迫力だけ言えば1stのミツメみたいだった。

manchester schoolへ。このバンドも初めて。おおきなからだのおとこたちが、スピードとちからで走り抜けるような。音楽は筋力に対抗する側面と身体能力で加速する側面があると思うけどこのバンドは圧倒的に後者。いままでこういうマッスルなバンドは好きになりきれなかったけど、あれだけの身体能力があってまで音楽をやる理由みたいなことを考えると、もう少し聞いてみたくなる。パフォーマンスがいちいちかっこいい。

ムーズムズ。このバンドも初めて。
ボーカルの発声が気持ちよい。キーボードがpopoみたいで、この音にあのラップが乗るのは聞いたことがない。
かけてかけてかけてかぎかけって!
とても好み。MCもボーカルのハートが強くて面白かった。また観たい。CD購入。

さいごはT.V. not january。ライブは実は初見。
やりたいことは単純明快、そして朴訥におおきな声で歌う歌がとても気持ちいいし、歌詞がすーっと入ってくる。
ヤンキーについて語る場面があって、ヤンキー発電所ってそういう意味だったのかなって思いました。買ってなかったのでアルバム買いました。


通し券のリストバンドの外し方を来年のためにどなたか教えてください。


2日目
フジロッ久(仮)
11時頃到着。さすがに早すぎるので本部にいってちぎれたリストバンド交換をダメ元でお願いする。快諾。感謝。

回転寿司6皿キメてから12時前に到着。最前列。フジ久のライブ最前列はモッシュやダイブとかすげえから少し心配して少しだけお酒を入れる。けどもうそんなの全然関係ない。ロックスターが目の前にいる。おれにとっての確からしさの象徴!超楽しい。

藤原さんはかっけえ。リズム隊3人がぎゅっと圧を加えた音に乗っかる藤原さんや元希くん、鮎子さんのキーボード。
曲がさいこう。歌詞もさいこう。MCもさいこう。

愛と平和のモノマネ中です。
インディペンデントに客席とかないんだよ。
キラッキラッした目で見てるね、君、さいこう。

歌詞に使えば良いようなまっすぐすぎる台詞を演劇みたいに軽快に使いながら客席を巻き込んでテンションあげてく。

なんか笑顔でいるって大事だな、ってことを笑顔が上手なフジ久見てると思うんだよ。笑顔の方がすてきに見えるし、色々背負いながらも笑顔ってかっこいいし。なんといってもぼくらのできる表現のひとつじゃん、いまさいこうに楽しいよってことをオンタイムで音の元にいる人にやっぱ伝えたいよ。

シュプレヒコールで泣きそうになる。
音楽に対して誠実な人たちの音楽は信頼できる。

禁止されてるのでダイブやモッシュはなかったですがみんなはしゃぎにはしゃいでてそういうことももしかしたらあったかもしれないですね。でも禁止されてるのでねー、あったかもしれないけど。

モッシュやダイブはしてないけど汗でびしょびしょになってTシャツが1枚死ぬ。モッシュやダイブはしてないけど。この日はハンカチを忘れたので汗を拭けなかった。終演後、なつやすみバンドの中川さんに会う。最高でしたねと感想を言いながら、Tシャツがびしょびしょ、と笑われる。

すぐにモナレコへ。HAPPLE。すでに13:20。
最後の2曲だけ聞けました。やはりさいこう。
2ndアルバム聞いたんですが、かっこいいす。マジでヤバイです。
2014年の夏、神保町試聴室の内田るん企画(大雨の、伝説が始まるには最適の日でした)にて突如ラップオンリーライブを敢行してからというもの、そして2014年の冬、サークルサウンズでのスペースカンフーマンとのツーマン(アットホームで手料理のおつまみやピザまで振る舞ってくれる人の良すぎるおもてなし!)以降、ぼくは2ndアルバムがさいこうになるなんてことは知っていましたけど、それにしてもあのときの「こんな音楽誰もやったことないし聞いたことないよ」って興奮は正しかった!完璧なポップバンドがラップと出会うなんて。
アルバム聴きながら、興奮と嬉しさで涙出ました。みなさんもラジカセやコンポの前でかっこいい音楽をカセットやMDにダビングしたときの興奮、覚えてますよね。あれです。

ああ圧倒的に曲が良い。これは売れてほしい!!!ぼく別にHAPPLEのみなさんとともだちでもなんでもないんですが、ぼくの好みの音楽が長い間つづいてほしいし、みんなに、聴いてほしい。

GHOST WORLD読んで驚愕したエピソードがあって、それは「HAPPLEの持ってたサンプラーが古すぎてせっかく作ったリズムトラックが同期できなかった。そこでプロデューサー兼エンジニア兼ミックスのA×S×Eさんは一音ずつバラで同期して一音ごと並べ直した」というところ。
素人から考えても絶対やりたくない作業ですよね...どんだけの愛なんだ...
これ売れなきゃだめなやつでしょ。苦労したから売れるとは限らないけどその苦労が良い作品につながってる。

汗だくのシャツをトイレで着替えてハンカチを買いに行く。

えるえふるの仕込み終わりの潤さんと会ったので少しお話。
潤さんみたいな兄貴だったらさいこうですね。弟だったら月いちで飲みかお茶誘うと思う。

そのあとのなつやすみバンドは30分以上前に並んだのですが余裕で入場規制!道に人が溢れてしまい、整理してる方がすこし気の毒。なんとか見れないかってお客。他へ促す運営。



まあ当たり前です。彼らの実力はこんなもんじゃない。
ほんと、たくさんの人に聴いてほしい。

遅く並んだ自分が言える言葉じゃないんですが、ぼくはなつやすみバンド、いつでも観に行くので、こういう機会にはぜひいろんな人に見てほしいなという気持ちでした。(自分で書いといてあれですが、うるせえ)

MANNERSと藤井洋平さんと迷ったのですが名古屋の小鳥美術館を選択。その前の酒井己詳さんへ。

酒井さん、曲がめちゃ良い。曲紹介を見るに人見知りの極にいるみたいな人でしたがそれも魅力的。
観察眼の鋭いお客さんから突如リクエストされたセーターという曲が特に良かった。

小鳥美術館。観るのは今回で3回目。大好き。やさしくてかわいい繊細な音楽かとおもいきや、急に荒々しいコブシ効かせてくるところとか最高。個人的にはyojikとwandaと通じる感じがします。学芸員独特の半身のヴォーカルスタンスも組手を始めるみたいでとても好き。MCでおもしろい話しますって言ってけっこうな勢いですべってたの超かわいかったです。

初めて聞いたときから音源待望してたんですが、なんと!!!なんと!!!秋から製作開始とのこと!!!!!緊張する〜。まあゆるーく待ちましょう。
とりあえずTシャツだけ買いました。XSだけど伸縮する生地なのでたぶん大丈夫!

小鳥美術館のライブが良すぎてなんもやりたくなくなったのでブラブラ。ドーナッツ屋の前でみずきちゃんと潤さんと遭遇。しばし一昨日のライブが良かったことを話す。
この2日間、こういうファンと音楽家との思いの伝え合いが各地でなされていて、そういうのすげえいいですよね。音楽家が救われたとか励みになるとか言う光景、五回くらい遭遇しました。救われてるのはこっちですよ。ありがとうございます。

そこに小鳥美術館のおふたりが。お二人にもライブがさいこうだったと伝えられればよかった...次回の目標!

そろそろ踊りたいのでWedanceへ。
ふたりのことは音楽が好きというよりは、ダンスに焚き付けられてこっちもアがるかんじが好きなんです。
かっこいいダンスをする2人から、ぎこちないダンスを見せて、という言葉をぎこちない日本語で伝えられて、ぎこちない踊りを見せずにいられるほどに感受性廃れたりはしてないのでじぶんなりのダンスを。

そのまま251へ。
永原真夏とSUPER GOOD BANDへ。
永原さんは、鋭度の高いまっすぐすぎる声とワット数の強い明るさのメディアイメージから、いままで勝手にちょっとした苦手意識持っていたんですが、今回見て、彼女の明るさって色々背負ってはないかということを感じました。
音楽は仲間はずれになっちゃう人、人と仲良くできない人のためにあってほしいという思いはいまも変わらないんだけど、彼女の明るさが苦手というぼくの気持ちに、自分のないものを持っている彼女を妬むような、卑屈な気持ちはないだろうか。

彼女の「明るい人は大好きです」という言葉の裏に、明るさを極めていくようなパフォーマンスの先に、なんかそういうぼくの卑屈さなんか当然背負って、それでも明るいエンターテイメントで突っ走るような、そんな覚悟に似たなにかをうっすらと感じたのでした。

manchester schoolでも感じたのですが、少なくともぼくの音楽的嗜好の裏側にはそういう卑屈さみたいなものがあるのかもしれないと感じられました。だから、この2日間で、楽しさとかとは違う次元で、行って良かったと一番思えたバンドでした。
こういうことを感じられるから、観たことのないバンド観に行くの、おすすめです。少し広がった感じします。
あ、音楽自体もホーンセクションのアレンジ大好物でした。藤原さんが一瞬消えたと思ったら転んで頭を打っていたみたいで、少し心配です。まあ藤原さんはロックスターなので大丈夫ですきっと。

駆け足でVIDEOTAPEMUSICへ。前から2列目。ビデオさんの前です。慎重に、何度も客席に降りて、音のチェックを丁寧に重ねるビデオさん。結局開始5分前まで、演らない曲でも練習して。自分の要求をPAに的確に伝えるスキルが高いなあ。
当然さいこう。超興奮した。新作、世界各国の夜。大きく出たなと思ってましたが、当然のサイズ感。

有限な資源のなかで進めた物質的消費が行き詰まって、ぼくらは想像力を消費する方向に重心を移してる。その先にはなにがあるのか。ぼくらは因果関係を遡ることしかできない。

音楽ライブにおけるダンスってとても重要なメディアのひとつだと思うのですが、ぼくはビデオさんの映像以上に彼の踏むステップや腕で取るカウントに興奮してました。
あと、年号と事件をアナウンスするの流行ってるのかな。フジ久でも新曲でやってます。

もう大満足で、何度もいえーあとかかっけえとか叫んでました。
後ろの女性ふたりがたぶんフジ久にいた人で、曲の途中にちらっと視界に入ってくるんですがふたりのダンスもよかったです。

最後は三輪二郎へ。かっこいい。おちゃめで、単純で、エッチで、かわいくて、さいこうにかっこいい。
チャボのブルースみたいな瞬間もあれば、清志郎のロックンロールみたいなときもある。
下北沢インディーファンクラブをインクラって略すのをピンサロとおんなじ感じで言うのでそういうイベントなのかとおもってしまう。
いやはや、さいごが三輪二郎で良かった。包み込んでもらった感じがした。

ふつかかんたのしかった!
音楽を聴かずにはいられない気持ち、忘れたくない。
一方で、衝動とは別の次元で音楽と向き合いたい気持ちも。


さいごに、踊り続けて6回も汗だくになったぼくを食事の面から支えてくれた、2日間で三回も食べてしまったせい家に特別な感謝を。
イエー!Say,yeah!イエーって言えー!せい家!せい家って言えー!