平井PARK最終日。

平井のパークに行った。現店舗ではきょうが最終日。

ぼくはきょうで3回目。2回目がおととい。1回目がパークサイド平井。ぜんぜん浅いんだけど、今日行ってみたら大好きな場所になっていた。愛しい気持ちなんてそんなものかもしれない。

とわでざいんの展示、藤原さんと角田健太さんのライブ。

藤原さんのライブ中、50年平井に住んでるというおばあちゃんが登場。林家パー子さんみたいなファッションをかましている。青の花柄ベスト(フリース地)に赤の柄スカート(フリース地)を重ねることで時空間を歪めているところが最大のポイントだ。もちろん帽子も花柄である。左手には歯ブラシの入ったコップ。まじでなんなんだ。理解を超えすぎてる。最終日にわかった。これが平井か。

最前列に席を取り、腕でリズムを刻みながら自由気ままに聞いている。歯ブラシを落とさない絶妙の運動量。

突然スタッフに「紙とペン」を要求。絵を描き始めた。
ハートの絵や「まる、さんかく、しかく」から始まるなにかだった。おばあちゃんの自由気ままさは、藤原さんの歌に乗っかって、ぼくらの気持ちをキャッチしてく。ああさいこうだ。

おばあちゃんの絵と藤原さんの演奏した曲を考えると、適当なように見えて、あのおばあちゃんは藤原さんの歌をやはりどこか聴いていたはずだ。

いままで楽しみ方がわからなかったライブペインティングが初めて楽しいって思った。そもそもライブペインティングって、絵描きのプロがやるよりも観客たちがやって見せ合う、みたいな方が絶対に面白いと思う。
いろいろな退屈なことは、まだ楽しみ方が見つからないだけなのかもしれない。

藤原さんはライブ中になにに触発されてか、最後の曲「バンドをやろうぜ」を歌う前に、こんなことを話した。

「なにか始めればこうやって誰かと出会える。なにかをやってる人は続けよう。やってない人は始めよう。金なら貸す。金貸す以外に出来ることなんだ。バンドやってんなら対バンしよう。」

続けよう。

終わってからおばあちゃんと話してみた。見せてもらったスケッチブックには正直、おれにも描けそうな絵が並んでいたけど、面白かったのはぜんぶマッキーみたいなマジックで描いていて、かすれたマジックをきれいな色鉛筆みたいなタッチで使っていたとこ。捨てるのもったいないからって、その発想はなかった。

突然無性にトイレに行きたくなって、会話の途中に「おばあちゃんごめんおれいますごくトイレ行きたくなっちゃったからこのページこのまま開いて待ってて!」と言っても文句も言わなかったからやさしいおばあちゃんでした。

雨の日以外は毎日、亀戸の公園で絵を描いてるそうなので話しかけてみてください。

続いて始まった角田さんのうたは、藤原さんと対にあるようで、根っこで共鳴しているような。何も言ってないようで、歌は完全に成立していて、どこにも足しようがないような。そうつまりぜんぶ言ってるのかもしれない、という言い方は少しズルいかもしれないが確かに成り立ってしまってる。

あの場を訪れた数十人が好き勝手に過ごして、音楽を聴いたりお酒を飲んだりしゃべったり踊ったり、外の公園にいる人もいたし2階にいる人もいた。大根に味噌つけて食べたりサラミ食ったり。栄養ドリンク飲んだり焼きいも食ったり。シャンパンなかなかあかなかったり。一見おとなしそうだと思ってた人がめちゃめちゃ明るかったりする。

どうしても都合がつかずに来れなかった人も、普通に来なかったひとも、引っくるめてのあの場だと思いたい。あの人たちだから生まれた雰囲気があるはずだ。

と思いたいけど今日の思い出を思い出せるのは、やっぱりあの場にいた人だけだ。想像では起こらないことが起こるのが現場だ。
わるい気持ちの欠片もないような、わるい予感の欠片もないような。そんな時間だった。さいこうだった。さいこう。さいこう。さいこう。

金にもならないことを、リスクも背負って全力でやっているのは、なんてかっこいいんだろう。加藤さんは長崎のあかりというゲストハウスのオーナー、岸川さんと重なる。加藤さんはまだ二回しか会ってないけど、信頼できるひとだと思う。
次にパークがお店を持つときを、楽しみにゆっくり待とう。


そのあとは奇妙礼太郎と片想いのライブへ。
パークで話した観客と遭遇し、乾杯!!さいこう!!この日のトウキョウの点Pと点Qをつないだ補助線がおれたちってわけだ。どうだ、解は見つかったか?

奇妙さんはあの抜けた感じがさいこうだけど、やっぱりいつか、完全に全力の、鬼気迫るライブを観てみたい。

片想いは変わらずさいこう。新曲やばかった!
昼間っから酒飲んで踊りまくったら最後の2曲で完全にエネルギーが切れた。このまま踊ったら帰れなくなるって寸前まで、踊った。色々あるけどぜんぶ背負って踊ろう。
昨日の高尾山より疲れたよ。楽しかった!

今日の良き日、世界で一番にやにや笑っていたのはぼくだ。
世界で一番にやにや笑え!