君はうんこを流せるか

お昼休みに蕎麦屋で肉南蛮そばを食べた。豚肉がただ茹でただけで工夫もなく臭みがあったことだけが残念だった。蕎麦屋が七味に寄りかかってほしくない。ひとりで坂を降りて蕎麦屋に行く時間がとても好きだ。3日前からずっとカレーを食べているのにお昼休みもカレーを食べたくなってしまう。性懲りもない。帰り道、ちいさな出版社(事務所)の前で「自殺希少地域」という文字が目についた。

このまえ、お昼休みに男子トイレの個室に入ったらフタが閉まっていた。嫌な予感を感じつつも恐る恐るフタを開けてみる。やはりブツがそのまま入っていた。ぼくは今の部署に来て5年目、このフロアのトイレの水量が弱いことはよく知っている。最後まで流れきるまでかならず見届けてから外に出るようにしている。新しく来た人は、このトイレの日本とは思えない水量のはかなさがわからないのだろう。このフロアに来てから、ぼくはもう10回は他人のうんこと遭遇している。初めてこのトイレに入ったときも厳かにうんこが佇んでいた。フタがしまっていると黄色信号だ。フタは跳ねないためについている。流れきったのを確認してから閉めるフタなんてただのフタだ。フタを開けて他人のうんこと遭遇するととてもゲンナリする。トイレを出るとひとつ下の後輩がいたため、うんこ遭遇トークで盛り上がった。想像してほしい。35-50くらいのおじさんたちがうんこも流せない会社を!経済はちゃんと回るんだな〜!うんこは流せなくてもね!おまえらおねしょしてる子どものことぜっっっったい笑えないからな!!!

兄が結婚した。今度、両家の食事会がある。なにかお祝いっぽいことを考えてくれと母親に言われたけれど、いったい何をすればいいというのか。おれはうんこは流せる。