いつか融けるといいね

たまにブログを見ているとか言われると単純なのでとてもうれしくなる。犬かよ。

金曜日、仕事の目処が見えてきた。会社の同期や後輩と4人で一緒に飲みに行った。ひとりは元おんなじ部署の、いまは辞めてしまった後輩。汚い大衆居酒屋で飲んだ。気づけば23時30を過ぎていた。

お酒が入ってズルいと思ったけれど、もう辞めてしまった後輩に、心苦しく思っていたことがあることを伝え、謝った。仕事中、余裕がひとつもないときに後輩に厳しいことを言ってしまったりしていたからだ。気にしてないです、と言ってくれた。ひとつ、胸のつかえが融けていった気がした。なんてできた後輩なんだ。こいつさっきまでもう一人の後輩に先輩風吹かせて勝手に女の子や母親にLINE送ったりしてたくせに。なんて良い顔してるんだよ。つくってしまった黒い過去は消せはしない。けれど、その重みを軽くするのは素直な気持ちを伝えることだけだ。ひとつひとつ、じぶんで、じぶんの氷を融かしていくしかない。そんなやり方では追いつかないかもしれない。それでも微分してみる。氷を増やさないようにしたい。

会社の同僚と飲みにいくと、自分の考えが凝り固まっていることを思い出させてくれる。羨ましいと思ってる同期は同期で悩んでいるし、逆に羨ましく思われていたりするのを知る。やりたいことができない自分と思ったように振る舞えない自分なんかには負けないぜ。こちとら4ヶ月も悩んだのだ。

その後、後輩の暮らす平井の街へ。平井のPARK跡地へ行った。アキバのPARKにも遊びに行かなくては。はなの舞で2時過ぎまで飲んだ。閉店とともに後輩の家へ。高いギターが4本置いてあり、彼のライブ映像なんかを見て過ごした。この男はほんとうにおもしろいやつだ。明日のライブの曲を練習したりしていた。ダメなところが見えやすいやつというのは信頼できてしまうから好きだ。良い顔をしていた。異動の時に同期とつくって渡したDIYメッセージボードを飾っていてくれてとても嬉しかった。

土曜日、始発で帰る。マフラーがないことに気づいた。どこかでなくしてしまったらしい。数年使ったお気に入りだったのだが。眠たい気持ちのまま、雨に降られながら家に帰る。いつもの帰り道、雨と寒さに包まれながら傘を差して歩く。「ぼくはこれから、あったかさだけは信じていこう」とつぶやいた。気温の話だけではない。あったかさだけは、信じなければいけないのだ。なかなかうまくできなかったりもするけれど。

部屋に着くと歯を磨いてくたばって寝た。朝、9時過ぎ。気持ち悪さで目が覚める。水をたくさん飲んでから寝ればよかったのに。2時間ごとに起きてコップ一杯のペースでゆっくりと水を飲んだ。いきなりご飯は食べられない。安売りしてたときに買い熟すのを待っていたキウイや洋梨を冷蔵庫から取り出し、ゆっくりと食べた。それから少しばかり眠る。14時過ぎ、胡麻油でキムチとにんにくを炒めてからご飯と卵を落として雑炊にした。ワンセグをつけると、「一千兆円の身代金」というドラマがやっていた。後半はワンワン泣きながらこたつに入って雑炊を食べた。物語の質量が大きい。17時過ぎ、カーテンを開けると結露した窓とまっくらな外の景色。どこかの世界では雪が降っているかもしれない。あったかさとともにいつか、いつか融けると良いね。